企業を成長・継続させるための、「経営者の道しるべになる」 ——札幌の税理士が貫く、コーチング型の伴走支援

荒木関克己(あらきせき かつみ)|荒木関克己税理士事務所 代表税理士
北海道旭川市出身。旭川東高校を経て小樽商科大学商学部に進学。大学ではハンドボール部に打ち込み、卒業後は簿記学校で本格的に税理士試験の勉強を開始。2つの会計事務所で計9年の実務経験を積みながら、大学在籍時から約13年かけて税理士資格を取得。2006年12月に荒木関克己税理士事務所を開業。「企業を成長・継続させるための生きる『道しるべ』になる」を経営理念に掲げ、法人顧問を中心とした経営支援を行う。Bixidを活用した経営の見える化や、社外CFOサービスなど、経営者に寄り添うコーチング型の支援スタイルに定評がある。
まず、荒木関克己税理士事務所さんの事業内容について教えてください。
札幌市北区に事務所を構えていまして、法人の顧問業務を中心にやっています。外部のスタッフも含めて5名体制で、法人のお客様がほとんどです。個人事業主の方もゼロではありませんが、基本的には法人のお客様がメインです。

経営理念に「企業を成長・継続させるための生きる『道しるべ』になる」と掲げていらっしゃいますね。この言葉に込めた想いを聞かせてください。
税理士は、ただ税金の計算をするだけの存在だと思われがちです。でも、私はそうではないと思っていて。経営者の方々は、日々いろんな判断を迫られています。売上を伸ばすのか、コストを削るのか、人を採るのか。そういう判断の一つひとつに、数字という根拠を持って一緒に考えられる存在でありたいのです。道しるべというのは、答えを示すのではなくて、経営者自身が正しい方向に進めるように照らす灯りのようなものですね。
具体的にはどのような支援をされているのですか。
Bixidというクラウドツールを活用して、月次の数字をリアルタイムに見える化しています。経営者の方に「今、会社がどういう状態にあるか」を正確に把握してもらうことが、まず第一歩です。そのうえで、私が大事にしているのはコーチング的なアプローチです。
ガチガチの経営計画を作り込むというよりも、まず現状をしっかり把握する。それから、経営者ご自身が「こうなりたい」という理想をイメージする。その現状と理想のギャップを一緒に埋めていくのが、私の支援スタイルです。漫然と経営している方に「今こういう状態ですよ」と気づきを与えて、そこからご自身の強みを活かしてどう動くかを一緒に考えていきます。
社外CFOサービスも提供されていると伺いました。
はい。中小企業の経営者は、経理や財務を一人で抱えていることが多いのですが、そこに外部のCFOとして入って、資金繰りの管理や金融機関との折衝、投資判断のサポートまで一緒にやっていきます。税務だけではなく、経営全体を見るというのが、うちの事務所の特徴だと思っています。
荒木関さんが税理士を目指されたきっかけを教えてください。
父が自営業をやっていました。建築塗装業で、小さいながらも自分で会社を切り盛りしていました。子どもの頃からその姿を見ていて、中小企業の経営者って大変なんだな、でもかっこいいなと。漠然とですが、いつか中小企業をサポートする仕事がしたいと思うようになりました。
小樽商科大学に進まれたのも、その想いがあったからですか。
それが正直に言うと、大学時代はほとんど勉強していませんでした(笑)。ハンドボール部に入って、もう部活一色の生活でした。昼過ぎまで寝ていて、それから部活に参加して、夜はバイトの生活で、授業はギリギリ。学業的には褒められたものではありませんでしたね。
部活引退後に税理士試験の勉強を始められたんですね。
4年のときに部活を引退して、そこからようやく「自分はこの先どうするんだ」と考え始めました。父の姿がずっと頭にありましたので、中小企業を支える仕事として税理士という資格に辿り着きました。まずは簿記学校に通い始めて、卒業後は就職せずに札幌の大原簿記専門学校で1年半、集中して勉強しました。
そこで5科目すべて取得されたのですか。
いいえ、大原の時点で簿記論と財務諸表論の2科目を取得しました。残りの3科目は、会計事務所で働きながら取得しました。最初の事務所で4年、次の事務所で5年。大学時代から数えると合計で約13年かけ、5科目揃えました。働きながらの勉強は本当に大変でした。昼間は実務をこなして、夜と休日に勉強して。でも、実務をやりながら勉強することで、机の上の知識が現場と直結していく感覚があって、それは大きな財産になりました。
2006年に独立されていますが、独立のきっかけは何だったのでしょうか。
元々、「いつかは独立したい」という気持ちはずっと持ち続けていました。2つの事務所で合計9年間、実務を積ませてもらう中で、自分なりの税理士像が見えてきたことで、「よし自分の力でやってみよう」と腹をくくったのが2006年のことです。9年間で培った人脈や経験が、独立するだけの土台になっていたのだと思います。
独立初期はどのように顧客を開拓されたのですか。
ありがたいことに、独立した初日に2件のお客様をご紹介いただきました。独立前に一度だけお会いしたことのある社会保険労務士さんからで、これは本当にありがたかった。おかげで初年度からある程度軌道に乗ることができました。
ただ、それに甘えてはいけないと思って、自分で決めた指標がありました。それが、「1日1人、知らない人に会う」というもので、愚直にやり続けました。サイトの問い合わせからの訪問、士業が集まる勉強会への参加、気になる人に直接アポイントを取って会いに行ったり、北海道だけでなく、全国どこでも飛び回っていました——とにかく人に会う。名刺を交換して、話をして、関係を作っていく。地道ですが、これが一番確実な顧客開拓だったと思います。
当初は相続・事業承継をメインにされようとしていたと聞きましたが。
はい、独立当初は相続や事業承継を柱にしようと考えていました。ところが、これがなかなか精神的にきつかった。相続案件は、お金が絡むと家族間の人間関係が露骨に出るものです。兄弟間の争いとか、感情的な対立に巻き込まれることも多くあります。もちろん大事な仕事ではあるのですが、自分がやりたい仕事はこういうことではないなと感じ、法人顧問を中心に舵を切ることになりました。
ただ、最近は基礎控除の引き下げの影響もあって、相続案件のご相談やご依頼が増えています。今は法人顧問という軸をしっかりと保ちつつ、相続案件もバランスよくお引き受けできるように体制を整えています。

荒木関さんが経営者に接するうえで、一番大切にしていることは何ですか。
経営者の自己実現をサポートしたいということに尽きます。税理士として数字を見るのは当然ですが、それだけではなく、経営者がどんな人生を送りたいのか、どんな会社にしたいのか。そこに寄り添って、一緒に考えていく。答えは経営者自身の中にあります。私はそれを引き出すお手伝いをしたい。
漫然と経営をしていると、自分の会社の強みにも気づけなくなることがあるものです。「御社にはこういう強みがありますよ」「この部分を伸ばせば、もっと成長できますよ」と、外からの視点で気づきを与える。
『ありたい姿をイメージしてもらい、その実現に向けて行動促進をする』というコーチング的なアプローチが、私がこの職業を通してやりたいことなのです。
今年で56歳になられるとのことですが、今後のビジョンについてお聞かせください。
56歳ですが、自分の中ではまだまだ変わり続けたいと思っています。自分の可能性を自分で閉じたくないと考えています。AIもそうですし、新しいテクノロジーも積極的に使っていきたい。ChatGPTも日常的に使っています。ただ、まず自分の頭で考えてから聞くようにしています。思考停止にならないように、道具として上手く使いこなしたいですね。
それと、後継者というか、一緒にやっていける仲間を見つけたいという想いがあります。一人でやれることには限界があります。志を共にする仲間と一緒に、もっと多くの経営者を支えていきたい。これが今の一番大きなビジョンです。

最後に、これから税理士を探されている経営者の方にアドバイスをいただけますか。
税理士選びで一番大事なのは、合うか合わないかだと思います。技術的な能力はもちろん大事ですが、それ以上に「この人と長く付き合っていけるか」「話しやすいか」「信頼できるか」という感覚的な部分が重要です。
私がいつもお伝えしているのは、最低でも3人から5人の税理士に会ってみてくださいということ。一人だけ会って決めるのではなく、複数の税理士と話をしてみると、自分に合う人がわかってきます。相性のいい税理士と出会えれば、経営は必ず良い方向に進みます。
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取材後記
印象的だったのは、独立後に「1日1人、知らない人に会う」という指標を自ら課し、一つひとつの出会いを積み重ねて今の事務所を築き上げてきたという話です。華やかなサクセスストーリーではありませんが、地に足のついた実直さこそが、荒木関先生の最大の魅力なのだと感じました。
「経営者の自己実現をサポートしたい」という言葉には、父の自営業を見て育った原体験が色濃く反映されています。税金の計算だけではなく、経営者が何を実現したいのかに寄り添うコーチング型の支援。それは、多くの経営者が求めながらもなかなか出会えない税理士像ではないでしょうか。
56歳にしてなお「変わり続けたい」「自分の可能性を閉じたくない」と語る荒木関先生。その姿勢そのものが、経営者たちへの最大の「道しるべ」になっていると感じました。
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