「毎月会う」からこそ、会社は強くなる。相模原で実践する、巡回監査による守りと未来会計による攻めのパートナー論

はじめに
「税理士なんて誰にお願いしても同じ」。そう思っていませんか?
AIやクラウドが進化し、単純な記帳や計算の価値が薄れる中、「経営者の隣に誰がいるか」の重要性はむしろ増しています。
相模原を拠点に活動する税理士法人リソースフルの岩岡克徳代表は、毎月の巡回監査による「鉄壁の守り」と、創業融資・未来会計による「攻めの支援」を両立させる、若き改革者です。
親族事務所からの独立を経て、なぜ彼は「手間のかかる対話」と「徹底したDX」の融合を目指すのか。その真意と、経営者と共に歩む覚悟について伺いました。
岩岡 克徳(いわおか かつのり)|税理士法人リソースフル 代表社員
桐光学園高等学校、日本大学商学部会計学科卒業。日本大学大学院法学研究科修了。川崎市の中堅税理士法人にて、決算業務や上場企業子会社の経理実務など幅広い現場経験を積む。2015年8月に税理士登録。親族の事務所勤務を経て、「真に経営者に寄り添うサービス」を目指し2018年11月に岩岡克徳税理士事務所を独立開業。現在は「税理士法人リソースフル」へ組織変更し、相模原・町田エリアを中心に活動。TKC全国会会員として「書面添付」や「巡回監査」を徹底すると同時に、IT・DXを駆使した「未来会計」や「創業融資」サポートに定評がある。
本日はよろしくお願いします。岩岡先生は、お父様も税理士でいらっしゃると伺いました。やはり小さい頃から「将来は税理士に」という雰囲気だったのでしょうか?
よろしくお願いします。そうですね、もう完全に「刷り込み」でしたよ(笑)。物心ついた時から「お前は税理士になるんだぞ」と言われ続けて育ちました。不思議なもので、ずっとそう言われていると、他の職業に就くという選択肢が頭に浮かばなくなるんですよね。大学受験の頃には、もう自然と「自分は税理士になるもんだ」と思い込んでいました。

なるほど、環境がレールを敷いてくれていたわけですね。その後、すぐに親族の事務所に入られたのですか?
いえ、最初は外の世界を見ようと思い、川崎市の中堅税理士法人に就職しました。その後、上場企業の経理職も経験しています。最初の事務所では、本当に素晴らしい先輩方に恵まれましたね。「税理士としての基礎」や「仕事への姿勢」を徹底的に叩き込まれましたし、上場企業では「大手顧問税理士への対応」や「チームで仕事をすることの大事さ」を学ぶことができました。この時の経験が、今の自分のベースになっています。
その後、いよいよ実家の事務所に戻ることになったのですが…ここで大きな壁にぶつかりました。父の事務所は、昔ながらの「先生稼業」として地域に根付いていました。それは素晴らしいことなんですが、私が外で学んできた「親身な相談相手である税理士」や「ITを活用した効率化」とは、どうしてもスタンスが異なります。私が良かれと思って新しい提案をしても、長年そのやり方でやってきた父や古参の職員からすれば、「今のままでうまくいっているのに、なぜ変える必要があるんだ」となるわけです。
これはもう、どちらが良い悪いではなく、世代や文化の違いなんですよね。ただ、私としては「このままでは自分の理想とするサービスは提供できない」と思い悩み、一度は他の会社への再就職を考えました。
別の場所で雇われる、という道も考えられたのですね。そこからどうして独立へ舵を切られたのですか?
実は、信頼する先輩税理士に相談した時に、その再就職を猛反対されたんです。「よそに行っても結局は雇われだよ。君が本当にやりたいことがあるなら、自分でやるしかない。一人でやったほうが絶対にいい」と。その言葉でハッとしましたね。安定を求めて転職しようとしていた自分に気づかされました。「自分の信じるサービスを届けるには、ゼロから自分でやるしかない」と腹が決まり、親族の事務所を出て独立する道を選びました。
ゼロからの独立となると、お客様も職員の方もいない状態からのスタートだったのでしょうか? それとも、ある程度は引き継ぐ形だったのですか?
形としては、職員全員がお客様を引き連れてのスタートでした。ただ、これが経営的な視点で見ると、決して「資産」を引き継いだとは言えない状況だったんです。言葉を選ばずに言えば、「負債」からのスタートだったと今では思っています。もちろん、金銭的な借金という意味ではありません。前事務所の「文化」や「関係性」という意味での負債です。
以前の環境では、お客様と税理士の関係が良くも悪くも「なぁなぁ」でした。「昔からの付き合いだから」という理由で契約が続き、ビジネスパートナーというよりは「お友達」に近い感覚です。職員もその空気に慣れきっていましたから、私が「経営支援をしよう」「もっと付加価値のある提案をしよう」と旗を振っても、「なんでそんな面倒なことをしなきゃいけないの?」という反応が返ってくる。「記帳だけしていればいい」という染み付いた意識を変えるのは、ゼロから人を育てるよりも遥かに難しいことでした。
組織の意識改革は最も難しいテーマの一つですね。そこからどのようにして、現在の「税理士法人リソースフル」のような筋肉質な組織へと生まれ変わったのでしょうか。
痛みを伴う改革を断行しました。「対等なビジネスパートナーとしてお客様に向き合う」という私のビジョンを共有できないのであれば、一緒に働くことはできない。そう覚悟を決めて組織作りを進めた結果、創業時の職員の8割が入れ替わることになりました。正直、経営者としては胃が痛くなる毎日でした。でも、そこで妥協しては独立した意味がありません。
そうして古い習慣を一掃し、理念に共感してくれた残ってくれたメンバーと一緒に組織を見直すとともに、新しいメンバーの採用を始めて、ようやく「組織」としての形が整ったのが今から2〜3年前ぐらいのことです。現在の「税理士法人」という形態にしたのも、単なる対外信用の話だけではありません。「個人の会計事務所」の枠を超え、将来的なM&Aの受け皿になったり、優秀な人材がキャリアを描ける場所にしたりするための戦略的な選択でした。今のメンバーは、本当に頼りになる「プロフェッショナル」たちです。あの時の苦渋の決断があったからこそ、今、自信を持ってお客様の前に立てるチームができたのだと確信しています。

岩岡先生の事務所はIT活用が進んでいると評判ですが、具体的にどのようなツールを導入されているのでしょうか? 税理士業界はまだ紙やFAXが多いイメージがありますが。
例えば、生成AIの「Gemini」ですね。先日も業務委託契約書のひな形を作る必要があったんですが、AIにたった3行の指示(プロンプト)を入れただけで、ものの数秒でたたき台が出てきました。内容も9割方完成していて、あとは専門家として微調整するだけ。他にも、お客様との連絡には「MyKomon」という専用チャットを使っていますし、資料のやり取りは「Box」などのクラウドストレージで完結させています。おかげで、事務所には紙の書類が減りましたし、電話の回数も昔に比べてかなり減りました。

そこまで徹底して効率化を進める「真の目的」は何なのでしょうか? 単なるコスト削減や、業務時間の短縮だけではない気がします。
おっしゃる通り、楽をするためではありません。「人間が汗をかくべき時間」を捻出するためです。記帳や計算、書類作成といった作業は、極論を言えばAIや機械のほうが速くて正確です。でも、経営者の方の「不安」に寄り添ったり、言葉にならない「悩み」を汲み取ったりすることは、人間にしかできませんよね。機械に任せられることは全て機械に任せて、浮いた時間をすべて「お客様との対話」や「未来の提案」に注ぎ込む。これが私たちのDXの目的です。
また、IT活用は「属人化の解消」にも繋がります。チャットやクラウドで情報を共有しておけば、私がいなくても担当スタッフが即座にレスポンスを返せます。「先生じゃないと分からない」という状況を極力なくし、組織全体でお客様をサポートする体制を作るためにも、デジタル化は必須条件だと考えています。
IT活用で効率化されている一方で、現場での泥臭いサポートも重視されていると伺いました。具体的に、お客様にとってはどのようなメリットがあるのでしょうか?
私たちのサポートは、いわば「鉄壁の守り」と「大胆な攻め」の両輪です。まず「守り」ですが、私たちはTKC全国会に所属しており、毎月の「巡回監査」を徹底しています。単にレシートをチェックするだけでなく、毎月2時間から2時間半ほど膝を突き合わせて、試算表を見ながら経営上の悩みを聞き出します。そして、そこから作成される決算書には、基本的に「書面添付(税理士法第33条の2)」を行っています。
これは「この申告書は税理士が責任を持ってチェックし、内容は間違いありません」という、いわば税務署への「品質保証書」のようなものです。これがあることで、税務署からの信頼度が格段に上がり、税務調査が入る確率が劇的に下がります。実際、うちのお客様で調査が入ることは滅多にありません。経営者が安心して本業に集中できる環境を作る、これが最強の「守り」です。
税務調査のリスクが減るのは経営者にとって非常に心強いですね。では一方の「攻め」、特に融資や資金調達についてはどのような強みをお持ちですか?
融資に関しては、少し驚かれるかもしれませんが、「自己資金100万円で2,000万円の創業融資」を通した実績もあります。通常、創業融資は自己資金の2〜3倍が相場と言われますが、しっかりとした事業計画と、それを裏付ける数字の根拠があれば、金融機関を説得することは可能です。ここでも、先ほどの「守り」が効いてきます。「TKC会員事務所が毎月監査をしていて、書面添付までついている」という事実は、銀行などの金融機関にとっても大きな安心材料になるんです。だからこそ、通常よりも有利な条件や金額での融資が可能になります。
さらに私たちは、単に過去の数字をまとめるだけの「過去会計」では終わりません。MAP経営などのシステムを活用し、「5年後にどうなっていたいか」「そのためには今、いくらの投資が必要か」という未来の数字を作る「未来会計」に力を入れています。記帳代行屋ではなく、財務コンサルタントとしてお客様の成長を後押しする。それが私たちの目指す「攻め」の姿勢です。
最後に、税理士を探している経営者の方へメッセージをお願いします。多くの経営者が「どうやって良い税理士を選べばいいか分からない」と悩んでいます。何かアドバイスはありますか?
私はよく経営者の方にこう聞くんです。「社長、売上や通帳の中身という『一番大事なもの』を全部見せる相手なのに、なぜその相手(税理士)を値段だけで選ぶんですか?」と。「顧問料が安いから」「知り合いの紹介だから」という理由だけで選んで、結果的に連絡が取れなかったり、何の提案もなかったりして後悔している方をたくさん見てきました。税理士選びは、会社の未来を左右する「投資」です。コストカットの対象としてではなく、自分の会社を一緒に成長させてくれるパートナーとして選んでほしいですね。
「投資」と考えると、選ぶ基準も変わりそうですね。では、面談の際に「この税理士は信頼できるか」を見極めるための具体的な方法はありますか?
一番のおすすめは、自社の直近の決算書や試算表を見せて、「先生ならこの数字を見てどう思いますか?」と率直に聞いてみることです。そこで「利益が出ていていいですね」としか言わないのか、それとも「ここの経費率が少し気になりますね」「借入のバランスを見直したほうがいいかもしれません」と、プロとしての視点や気づきをくれるのか。その反応を見れば、その税理士が普段どのようにお客様と向き合っているかが分かります。
私たちはこれからも、単なる「税金計算屋」ではなく、財務や未来会計を通じて経営者の「夢」を実現するサポーターであり続けたいと思っています。お客様も、そこで働く職員も、みんなが笑顔になれるような「リソースフル(資源豊か・臨機応変)」な事務所を、これからも作っていきます。

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